天竺熱風録 【完結】
天竺熱風録を試し読み作品データ
編集部からのおすすめ
漫画『天竺熱風録』は、3巻以降からの盛り上がりが素晴らしい作品です。中国・唐の時代を舞台にした大河ドラマのようなストーリーは、心に響くセリフも多く、読み応えがあります。特に、ヒロインの魅力は際立っており、ネパールの女将軍ラトナさんの登場で物語は一層色づき、大きな盛り上がりを見せます。ラトナさんは、強さと人間味を兼ね備えたキャラクターで、登場する度に魅力を放ちます。戦場の描写も迫力満点で、一気に読みたくなるほどの魅力が詰まった作品です。是非、一気に読み進めてみてください!
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概要
『天竺熱風録』(てんじくねっぷうろく)は、田中芳樹による歴史小説。小説を原作として伊藤勢によって漫画化されており、こちらも本項で取り扱う。
中国(唐)から天竺(インド・摩伽陀国(ヴァルダナ朝))へ3回(一説では4回)にわたり外交使節として渡航した実在の人物・王玄策が行った貞観21年(647年)からの2回目の天竺行きを主題とした小説。王玄策を始め、登場人物は『旧唐書』や『新唐書』といった史書の中に名前を見出すことはできるが、詳細は記述されておらず、人となりなどは田中の創作によるところが大きい。
あとがきで田中が述べているところによれば、講談を擬した文体を地の文に採用しており、各章の終わりなどは「次回をお読みください」といったような文になっている。これは、中国の明や清時代の章回小説(演義参照)の体であり、現代日本語に翻訳した文体を模したものとなっている。
伊藤勢の作画で漫画版が『ヤングアニマル』(白泉社)に2016年18号(同年9月9日発売)から2019年12号(同年6月14日発売)まで全50話連載。連載第1回の扉絵キャッチコピーは「こんな人物が、本当にいたのか」。
あらすじ
貞観21年、唐朝の第2代皇帝の命を受け、王玄策を正使に蒋師仁を副使とした遣天竺使節が出発した。
吐蕃、泥婆羅(リッチャヴィ朝)を経て摩伽陀へ入った一行だったが、唐に使節を送ってきた戒日王ハルシャ・ヴァルダナは既に亡くなっており、ティラブクティ王アルジュナが王位を簒奪していた。アルジュナは兵を出して、一行を捕らえてしまう。王玄策と蒋師仁は部下を牢に残し脱獄すると、泥婆羅へと援軍を求めた。泥婆羅のアムシュヴァルマン王は自身の思惑もあって、王玄策に泥婆羅騎兵7000を授ける。別件で泥婆羅に派兵されていた吐蕃兵1200もこれに加わる。
王玄策と蒋師仁は泥婆羅騎兵、吐蕃兵の力を借り、7万の摩伽陀兵を破り、アルジュナとその妻子を捕らえた。