100年の経

テーマ/作風

SF

ジャンル

青年マンガ

出版社

小学館

掲載誌/レーベル

ビッグコミックスピリッツ

編集部からのおすすめ

100年後の未来を舞台にした近未来譚『100年の経』は、表現者にとって生成AIが脅威となる世界を描いています。主人公の菅井は、冬眠から目覚めると一転して国民的作家となっており、生成AIを使用せずに小説を執筆することに挑んでいます。その中で、当時付き合っていた彼女からの手紙が届き、彼女の生存についての疑問を抱える菅井は、再び彼女が喜ぶ小説を書くことを決意します。

この作品は、未来の文学界やAIの進化をテーマにしたサスペンスあふれるストーリーであり、現代との共通点や変化を描いたバランスの取れた作品となっています。絵と話の内容のマッチングも良く、心地よい読みごたえがあります。

ただし、SF作品を期待していた読者からは、AIや未来技術が物語の中心になっていないことに不満の声が上がっています。また、主人公の創作論や人間論が多く、物語の進行が遅いと感じる読者もいるようです。テンポの速さやせっかちな消費者の嗜好に合わせてほしいという要望もありますが、その一方で、続きが気になりますという声も多く挙がっています。

『100年の経』は、SF的な要素だけでなく、人間の葛藤や創作活動のリアリティを描いた作品となっています。ぜひ、現代の文学界やAIの進化に興味のある方におすすめの作品です。物語の中心には謎の女性があり、主人公の成長や決意が描かれています。気になる続きを楽しみつつ、主人公の運命や真実の解明に期待が高まります。読者の期待に応えて、今後の展開に注目が集まる作品と言えるでしょう。