
高杉さん家のおべんとう 【完結】
高杉さん家のおべんとうを試し読み作品データ
編集部からのおすすめ
温かいおべんとうと共に、温かい心の成長が描かれる『高杉さん家のおべんとう』は、ハートフルなストーリーが魅力です。登場人物たちが負の感情を前向きに受け止める姿勢や、優しさが溢れる作品であり、どこまでもさわやかな雰囲気が心地よいです。中学生の姪っ子を養うことになった30男の温巳と13歳の久留里の共同生活が描かれる中で、ほのぼのとした展開や面白いエピソードが満載です。ラブコメ要素もしっかりと入っていますが、嫉妬や悲しみを描くよりも、明るく前向きな解決がされる点が新鮮で心地よい印象を与えます。読みやすく、楽しい要素もありつつ、深い問題や家族の大切さに触れる部分もあるので、幅広い読者にオススメできる作品です。変わり者の従妹と空回り男の共同生活から生まれる成長と絆は、心温まる物語としてぜひおすすめしたい一冊です。
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#家族 #青春 #ヒューマンドラマ 試し読み 似た漫画を探す
湊君がヤンチャで可愛らしく、尊君や岳君も魅力的なキャラクターばかりで、それぞれの個性が光る漫画です。特に、兄弟の絆や仲間同士の友情が描かれるシーンは心温まります。家族愛や優しさがテーマとなっており、読んでいると自然とほっこりする気持ちになります。
作品のリアリティを求める人にはあまり向いていないかもしれませんが、のんびりとした時間を過ごしたいときや、癒しを求めるときにピッタリの作品です。一連のストーリーは予定調和で進んでいくため、安心して読み進めることができます。
『柚木さんちの四兄弟。』は、家族の形や家庭の大切さ、兄弟の絆などを優しく描いた作品であり、読んだ後にほっこりとした気持ちになれること間違いありません。家族愛や仲間同士の絆を感じたいときにおすすめの作品です。 -
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#バトル・アクション #ミステリー・サスペンス 試し読み 似た漫画を探す
読者からは、映画と合わせて楽しむことができる作品として、映画を観てから漫画を読む楽しみ方を紹介しているレビューや、最終章の導入が完璧であると絶賛する声が寄せられています。また、最終章への期待や最終局面に向かう物語の展開に引き込まれるコメントもあります。さらに、読者の中には複数巻まとめて購入して楽しんでいる人や、映画も楽しみにしているという声も挙がっています。
『東京卍リベンジャーズ』は、青春と友情、そして運命というテーマを軸に不良たちの熱い戦いを描いた作品です。人間関係や過去と向き合う姿が力強く描かれており、読み手を引き込む魅力が詰まっています。最後まで目が離せないドラマティックな展開が続くので、一度手に取ってみる価値はあります。ぜひ読んでみてください。 -
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概要
『高杉さん家のおべんとう』(たかすぎさんちのおべんとう)は、柳原望による日本の漫画。『コミックフラッパー』(メディアファクトリー発行)にて、2009年5月号から2015年6月号まで連載された。2021年7月時点で電子版を含めた累計発行部数は130万部を突破している。
とある事情で同居することになった、主人公・高杉温巳と年齢の離れた従妹・久留里が、お弁当作りなどを通して触れ合い、家族となっていく過程を綴った物語である。作中には、地理学に関する話題が取り上げられていて、地理学者からも評価されている。本作を通じた地理学の普及・啓発などの貢献により2014年度日本地理学賞(社会貢献部門)が作者に授与されている。
主な舞台は名古屋市であり、柳橋中央市場などが登場する。そのほか、岐阜県恵那市の串原地区などもしばしば舞台となっている 。
作中の時間経過は現実世界のそれとほぼ同じタイミングとなっており、登場人物が誕生日を迎えて年齢を重ね、進級や留年、定年退職をし、それに伴い様々な成長をしていく様子も描写される。
2024年10月より、日本テレビ系・水曜プラチナイト(中京テレビ製作枠)にてテレビドラマが放送中。
あらすじ
新しい同居人高杉温巳(ハル)は高校生のころ、父母を交通事故で亡くし、実家のマンションに一人暮らしをしている。地理学の博士号をとったものの、大学教員や研究機関の公募に受からず、風谷教授の研究室に居続けている。父母を亡くす前に同居していた7歳年上の叔母・美哉は、自分が事故の原因を作ったと悩み、温巳が大学に合格したのを機に家を出ている。ある日、温巳のところに弁護士がやってきて、美哉が亡くなったこと、シングルマザーであった美哉の希望により娘・久留里の未成年後見人になってもらいたいと伝える。こうして、31歳の温巳と従姉妹で中学1年生の久留里の共同生活が始まる。二人とも人間関係がうまく作れない性格であり、当初の生活はぎくしゃくするが、久留里が夕食、温巳が残りの食材で久留里のお弁当を作る関係が生まれる。久留里は中学校で浮いた存在となるが、香山なつ希や丸宮光がフォローし、いじめを受けることはなかった。久留里は次第に温巳が家族であると感じるようになる。
助教試験
N大学の風谷教授の研究室に居続ける温巳に助教の声がかかる。その試験課題は「久留里を記述すること」であった。温巳は久留里と一緒に、美哉が暮らしていた街と勤めていた出版社を訪ねるが、久留里はおうちかえりたいと言う。久留里にとって高杉家が自分の居場所になっているようだ。肝心な久留里に関する記述の提出物はなんと「お弁当」であり、温巳はその内容を説明する。風谷教授はお弁当を食べながら、就職試験としてはこれもありかなと合格にする。
ハル
温巳は久留里から1度も名前で呼ばれていないことに気が付き、久留里はなつ希に温巳を名前で呼んでいないと指摘される。クリスマスの翌日の温巳のお弁当には海苔で「ハル」と描かれている。マンションのベランダから、久留里は道路を歩く温巳に「ハあルぅ」と小さな声で呼びかけ、赤くなる。温巳は美哉の戸籍謄本を取り、美哉とは血縁関係がないことを確認し、久留里は学校でメンデルの法則を教えてもらい、おおよそのことを理解する。
串原ヘボ祭り
串原村のヘボ祭りにフルメンバーでやって来る。昆虫食、養蜂は温巳と同僚・小坂りいなのその後の研究と深く関わることになる。この地域ではクロスズメバチをヘボと呼び、ハチの子食が盛んである。温巳は三好に久留里を家族ですと紹介し、久留里は嬉しそうな表情を見せる。
講師と非常勤講師
温巳をご指名で北海道の大学から講師の打診が来て、りいなにも地理学会で親しくなった元老院の紹介でA工業大学の非常勤講師の打診が来る。りいなは与えられたチャンスをものにすると張り切る。迷う温巳は串原に逃避し、三好夫妻のなじみの土地に住みたいという言葉から北海道行きを断る。
S女子大講師
温巳は公募を受けまくり、なんとかS女子大の講師の二次審査に進む。ところが、りいなも同じ審査に進んでいた。二次審査には元老院が外部審査役となっており、形勢は不明となる。朝のジョギングで久留里はりいなと出合い、温巳が落ちたことを知る。りいなは高杉のことを好きだと告げる。今は告白できるような状態ではないけれど、久留里ちゃんだけには伝えておきたかった、恋する女の子は対等だからと話す。
高校進学
久留里は高校に進学する。園山奏は同じ学校であるが、なつ希は別の高校に進学する。携帯は持たず、タイムサービスの買い物がある久留里は、浮いた存在となり、「氷の美少女」と呼ばれる。屋上ごはんがきっかけで、久留里は1学年先輩の山田旭と知り合いになり、文芸部のマネジャーとなる。
日間賀島
風谷教授が日間賀島に行こうと言い出し、いつものメンバーが参加する。風谷教授はせめて我々は現場から生まれる学問の楽しさを伝えたいものだねと語るが、話しはすぐ食べ物の方に向かう。久留里の疑問に温巳は既存の理論だけで答えるのに対して、りいなは「学生をやる気にさせるには、もっと教員自身の思いとか情熱とかが必要だ」と反論する。温巳は風谷教授から、楽しいことを追求すると新しいことが生まれる、研究もそうあってほしいものだと教育的指導を受ける。
ハルにいいこと連れてきて
りいなはドイツに海外派遣されることになる。温巳には好きでしたと過去形で想いを伝え、人生最大の断捨離をして機内の人となる。温巳には大きな痛手となり、久留里は母の写真に向かって、「ハルにいいこと連れてきて」と話しかける。その願いが通じたのか温巳にN学院大学の特任准教授の話が舞い込んでくるが、すぐ白紙に戻る。それでも温巳は意外と元気なことに気づき、人はおいしく飯を食っていれば、たいていのことは乗り越えられるのかなと思う。
りいなの帰国
ドイツでのプロジェクト最終報告会で特別枠の発表時間をもらったりいなが帰国する。報告会が開かれ、元老院からクレーム無しで誉められる。温巳は市場での販売から入り、地理学は人を見る学問ですからと結ぶ。りいなは、今後の大きな課題にしますと答える。ご苦労さん会で、風谷教授は「さきほどの質問はよかったね、育ったねえと思ったよ、あの女の子を引き取ってから特にね」と話しかける。りいなと元との関係も少し進展する。
マグロパーティ
なつ希の父親・ヨシュアが来日早々に警察のやっかいになる。なつ希の母・香山玲子はヨシュアを引き取ったものの、香山家には出入り禁止にしてある。香山家の全員が高杉家に集い、節子の指示で手土産のマグロをさばき、マグロ料理が並ぶ。ヨシュアは「家族で囲むテーブルが夢であり、僕の人生に君が必要だ、レイコ」と語る。玲子は乙女モードになり、皆を驚かせる。ヨシュアは高杉家のリビングで休み、これが定例化する。
一枚の写真
りいなが養蜂家の鈴木から借りてきた日記に、美哉と高遠晶の写っている写真がある。りいなの話では、高遠は19年前に結婚している。しかし、写真は17年前のものであり、そこに美哉がシングルマザーになった理由がありそうだ。温巳とりいなは高遠に会い、久留里の父親であることを確認する。
コビー先生
風谷教授の科研費申請が通る。プロジェクトの共同研究をお願いするコビー先生が飯田市遠山郷に来ているので、温巳たちが訪問する。コビー先生は温巳の「人口不動論」を読んで温巳に興味があると話す。昼食時にお皿の代わりに温巳の集めてきた朴の葉を使う。朴の葉は料理との相性が良く好評である。コビー先生は温巳の人柄から、4年間フランスで一緒に研究をしませんかと提案する。
このままでいいんです
久留里はN大学文学部地理学に進もうとする。フランス行きの話もあり、温巳は久留里に父親について話す。久留里は一人で高遠夫妻と会い、帰ってきて「お父さんだと思った、でも家族じゃない」と話す。久留里はN大に合格する。美哉の法事に合わせ高遠夫妻がやって来て、高遠の妻は久留里を引き取ると言うが、久留里はお弁当を例えにして「このままでいいんです」とはっきり答える。
新しい門出
風谷ゼミでは「フランスご栄転」パーティとなる。風谷ゼミにおける温巳の軌跡が映し出され、そこには公募落選を重ねながら、久留里とともに成長している温巳がいる。家に戻ると久留里がテーブルに座るよう促し、「あたしは、ハルが好きです」と言いよどむことなく話す。温巳はあたふたするだけで、ごまかしの言葉しか出てこない。そこにヨシュアが現れ、告白は中断する。翌日のフライトにみんなが見送りに来ている。手荷物検査場の手前で温巳は「僕もだ、僕もなんだっ」と叫び、「それはどういうことかというと、今後の課題とさせてもらいます」と言い残す。久留里の反応は「ハルのバカーーっっ」である。
4年後
温巳はバスク地方の牧畜調査で、弁当持参で毎日ついて回り、それが地元のテレビ局で取り上げられる。複数の論文も専門誌に掲載され、国際学会で招待講演もこなし、帰国後は広島のH大学で準教授職が決まる。しかし、空港に久留里の姿はない。久留里から送られたお弁当レシピと画像から御在所岳と推測する。ケーブルカーを降り、温巳は背広、革靴で残雪を踏みしめ、たどりつき、「久留里さん、僕とつきあってください」と言い、久留里は笑顔で応える。