すくらっぷ・ブック 【完結】

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作品データ

テーマ/作風
  • ヒューマンドラマ
  • 設定
  • 学園
  • ジャンル
  • 少年マンガ
  • 出版社
  • 大洋図書
  • 掲載誌/レーベル
  • エンペラーズコミックス
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    概要

    『すくらっぷ・ブック』は、小山田いくによる日本の漫画。1980年から1982年にかけて、秋田書店の『週刊少年チャンピオン』に連載された。単行本は全11巻として少年チャンピオンコミックスから刊行されていた。その後、復刊ドットコムより全4巻への再構成を経て刊行されている。

    概説

    作者の小山田にとっては初の連載作品であり、彼の初期作品群の特徴として恋愛青春群像ものに分類される。全101話。

    本作以前に、同じく『週刊少年チャンピオン』に掲載された読み切り作品『12月の唯』『春雨みら〜じゅ』『三角定規プラス1』の3作品とは舞台背景、登場人物など内容がリンクしている。なお、これらの短編は、本編が単行本化される際に一緒に収録されたがチャンピオンコミックス版では1 - 3巻末に収録されていた。元々これらの作品は連載本編のプレ・ストーリーだったので、後述の復刊ドットコム版では1巻の冒頭に纏められている。

    連載時期と作品中の時間の流れがほぼリンクしていたのも特徴で、作中で主人公たちが中学校2年生に進級したばかりの4月から卒業までの2年間を、実際に約2年(1980年4月 - 1982年3月)の連載期間をかけて描き上げた。主人公達は1966年度生まれであり、これは作者の丁度10歳下にあたる。この1966年は丙午に当たるため、前後の年に比べると出生率が極端に下がった年であるが、作中にそれを感じさせる描写は無い。登場人物の多くが、作者の同級生や知人をモデルにしたものである。

    作者独特のギャグ要素が、特に作品前半において色濃く出ている。また、同時期に『週刊少年チャンピオン』に連載を持っていたとり・みきとの誌面を利用したおちょくり合いは有名である。

    初期には登場人物が「さだまさし」やその他のフォーク・ニューミュージックを口ずさんでいることが何度かある(歌詞はローマ字書き)。当時流行っていた『機動戦士ガンダム』などのロボットアニメもよく登場した。

    なお、同じ作者の『むじな注意報!』は、本作品と同じ時間軸上(17年後)にある作品で、本作品の登場人物のうち数人が実際に登場している。

    少年チャンピオン・コミックスから全11巻でコミックスが刊行されたが、2000年頃以降絶版となっていた。しかし2004年頃にコミックパークのオンデマンド出版での再発売(品質の劣化が目立っていた)や、2006年に復刊ドットコムより「小山田いく選集」の一部(第3集 - 第6集)として、全4巻に再構成されて刊行されたことからも、今なお人気の高い作品といえる。巻末には描き下ろし短編「どっぐ・いやあ」が収録されている。作者の小学生時の想い出を綴った作品で本作のモチーフとなった人物やエピソードが語られている。

    『週刊少年チャンピオン』2009年30号に創刊40周年記念企画として完全新作の読み切り『夢のありか』が掲載された。

    続編『ぶるうピーター』と共に、当時はその概念さえなかった「空気系(日常系)」の元祖とも言える作品。