『機動戦士クロスボーン・ガンダム』(きどうせんしクロスボーン・ガンダム、MOBILE SUIT CROSS BONE GUNDAM)は、富野由悠季(原作)、長谷川裕一(作画)による日本の漫画作品。『月刊少年エース』に1994年から1997年まで連載。本項では長谷川による続編および外伝作品も併せて記述する。2024年6月時点でシリーズ累計発行部数は400万部を突破している。
シリーズ概要
富野が原作・原案として携わったものは第一作『機動戦士クロスボーン・ガンダム』のみであり、それ以降の続編の作話は長谷川による。
機動戦士クロスボーン・ガンダム
『月刊少年エース』(角川書店)において、1994年12月号(創刊号)から1997年3月号まで全27話が連載され、単行本全6巻が刊行された。劇場用アニメ『機動戦士ガンダムF91』(1991年)の10年後、宇宙世紀0133年を舞台とし、ベラ・ロナを中心に再興した宇宙海賊クロスボーン・バンガードと、木星圏を根城とする木星帝国(ジュピター・エンパイア)との戦いを描く。
制作にあたり、富野由悠季がアニメのプロット26話分に相当する原作を提供している(コミックスの著者近影欄にも全冊コメントを寄せている)。
TV ゲーム『SDガンダム GGENERATION-F』にてストーリーを追体験可能な形式でキャストや専用BGMと共に初収録される。その後『第2次スーパーロボット大戦α』、『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』などゲーム作品へ登場し、主役機のクロスボーン・ガンダムやハリソン・マディン専用量産型ガンダムF91がプラモデル化されている。また『SDガンダム GGENERATION-F』に登場する際に作成された音楽は、他のゲーム作品でもクロスボーン・ガンダムのテーマとして扱われている。
アニメーション情報サイト「アニメ!アニメ!」の主催による読者アンケートでは、アニメ化を望む完結マンガ作品の第1位に数回選ばれている(2015年・2018年1回目・2018年2回目)。
機動戦士クロスボーン・ガンダム外伝
本作以降に描かれた続編は長谷川裕一によるオリジナル作品であり、富野由悠季は原作として関与していない。
本来『クロスボーン・ガンダム』は1作のみで終了する予定だったが、ゲーム作品に登場して注目を集めたことで編集部から読み切り作品の執筆を依頼された。その後『ガンダムエース』などで散発的に掲載され、2005年には後述する全てのエピソードを収録した単行本『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』が発売された。
本編連載開始以前に発表された長谷川の読み切り漫画作品『機動戦士Vガンダム外伝』とのクロスオーバーが見られる。
機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人
『ガンダムエース』2006年7月号から2007年9月号まで連載。宇宙世紀0136年において始まった木星帝国との最終決戦を描く。黒澤明の映画『七人の侍』がイメージのベースとなっており、作中でもこの映画に関する話が出ている。
メカもので『七人の侍』をやるというアイデアがずっと存在しており、そこに同じく存在していたアイデアの1つである、木星から発射されるコロニーレーザーを組み合わせている。コロニーレーザー発射を阻止するためのスケジュールがきついものとなることから、全何話になるかを編集部に決めてもらい、全3巻の話になった。
本作より後の時代(宇宙世紀0153年)を描いた『機動戦士Vガンダム』のキャラクターや技術も登場する。
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
『ガンダムエース』2012年1月号から2016年5月号まで連載。作中年代はテレビアニメ『機動戦士Vガンダム』と同じくとなる宇宙世紀0153年で、ザンスカール帝国の最終兵器を知ってしまい追われる身になった主人公と、彼を救う人物が搭乗する、この時代には既に存在しないはずのクロスボーン・ガンダムとの邂逅から始まる。
長谷川は前作でシリーズを終わらせると決意していたが、アーケードゲーム『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』でクロスボーンが人気だったため連載が決定した。『鋼鉄の7人』の後の時代は『Vガンダム』の時期であり、ファンの間ではその時期に本シリーズの登場人物がひどい目にあっているのではないかという不安があった。『鋼鉄の7人』から17年経過した時代なので長谷川は気にしなくていいと考えていたが、このようなファンの意見を受けて『Vガンダム』の裏側を描くことになった。
続編の打診を受け、ガンダムは終われないと考えた長谷川は本作の最後を「完結」ではなく「章の終わり」というまとめ方にしている。
2017年発売の『ガンプラエースSpecial 月刊ガンダムエース9月号増刊』には、『ゴースト』の登場人物であるハロロを主人公とするスピンオフ作品「ハロロDEガンプラ」が掲載された。作者は榊蒼十郎。
機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
『ガンダムエース』2016年6月号にて連載の告知が発表され、2016年9月号から2021年2月号まで連載。『クロスボーン・ガンダム ゴースト』から15年以上経過した宇宙世紀0169年を描く。本作ではクロスボーンの綴りが「CROSS BONE」から「CROSS BORN」に変更されている。
本作の時代はアニメ作品では描かれていない時期のため、長谷川はサンライズから執筆許可が出たことに驚いた。執筆にあたり、『Vガンダム』を超える技術を出してはいけないと注意された。長谷川は『機動戦士ガンダムUC』視聴時にクシャトリヤの爆発でコロニーが停止するのを観て、爆撃機規模のものが1つ破壊されてコロニーが稼働停止する世界は保たないと考えるようになっており、それを受けて本作では衰退が描かれることになった。宇宙戦国時代が舞台のため、日本の戦国か三国志のどちらかをベースとすることになり、後者が選ばれた。ただし三国志要素はキャラクターのイメージに留め、役割分担を三国志にとらせて、キャラクターを自由に放り込むという手法を取った。これは『ゴースト』と比べて準備期間が足りず先の予定が立たなかったためであり、とりあえずやってみる中で何かを思いつくかもしれないと考えながら連載を始めている。その中で第3巻のころに出てきたアイデアが「コロニーの着陸」だが、大きすぎる「札」であることから様子見しつつ、できそうな段階になったところで編集部に相談した。それまでコロニー着陸をやるルート、やらずにラストボスと決着をつけて終わるルートの2つがあったが、コロニー着陸ルート用にシリーズ構成が切られていった。
機動戦士クロスボーン・ガンダム X-11
2021年5月24日に、機動戦士クロスボーン・ガンダムコミックス公式Twitterで新情報告知が行われた。翌5月26日にはコミックス公式Twitterで「機動戦士クロスボーン・ガンダムX-11」の連載開始が告知された。『ガンダムエース』2021年8月号から連載を開始し、2022年8月号をもって完結した。
「カーティス・ロスコ最後の冒険」と銘打ち、前作「機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST」と同時期のカーティス・ロスコを描く。
機動戦士クロスボーン・ガンダム LOVE&PIECE
『ガンダムエース』2022年12月号から2024年1月号まで連載。これまでのシリーズに登場したキャラクターたちを取り扱うオムニバスシリーズとなる。
機動戦士クロスボーン・ガンダム 神の雷計画の真実
『ガンダムエース』2024年8月号に掲載。宇宙世紀0138年に執筆されたローズマリー・スズキの著作「神の雷計画の真実」を0171年に実娘「ホワイトストロベリー・スズキ」が漫画化したという設定の読み切り作品。
構想にはあったがカットされた場面が存在し、長谷川のブログで公開された。
機動戦士クロスボーン・ガンダム 最初のX(クロス)
『月刊少年エース』の30周年記念作品として2024年12月号に掲載。宇宙世紀0132年を舞台とし、シーブック(キンケドゥ)とザビーネが宇宙海賊として共闘するまでの経緯を描く読み切り作品。
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゼーロイバー
シリーズ30周年記念作であり、『ガンダムエース』2024年12月号より連載中。宇宙世紀0172年を舞台とし、宇宙海賊について描かれる。
出典: Wikipedia