光に向かいし花のごとく 7巻

発売日: 2021-01-24

新宿中村屋を創業した夫婦、相馬愛蔵とその妻・相馬黒光。宮城県仙台市の藩士の儒者・星雄記を祖父に持ち廃藩置県の4年後に生まれた星 良…のちに結婚して相馬良となり、愛蔵の故郷、安曇野郡東穂高から上京し、夫婦で本郷でパン屋を開業する傍ら、夫婦ともに文筆活動もしながら、明治、大正、昭和と続く時代の中で、様々な芸術家…画家、彫刻家、文筆家、舞台俳優などと交流し、彼らを様々な形で支援し、後に「中村屋サロン」と呼ばれた日本近代文化の一役を担うこととなる。
「愛の章」は中村屋サロンの始まりともなった東穂高出身の彫刻家・荻原碌山と相馬夫婦との交流を描く。
続く「生の章」は仙台に生まれた星 良が文化意識に目覚め、明治女学校に入学し卒業するまでに出会った数々の人々との交流、そこには明治期の文学の屋台骨になった人々の影が渦巻く。
最後の「黒光の章」は良が文筆業として使った筆名・相馬黒光として、中村屋サロンに関わった人々と、時代の流れに流されながらも、時に立ち向かい時に打ちのめされて、それでも夫婦の絆を紡ぎながら堂々と生きていく様を描いていく。
今回から「生の章」に入り、舞台は仙台の廃藩置県後の没落の一途をたどる武士の家に生まれた星良が、キリスト教に傾頭し、その人脈から何とか勉学を続けていきながら、宮城女学校に入学した直後、友人たちのストライキに賛同し、自ら退学を志望した。宮城でキリスト教布教と男女の教育に貢献していた押川正義の手助けもあって、横浜のフェリス女学院に入学することになった良は、そこでキリスト教の有難さとその限界に目覚めると同時に、友人達との交流と星野天知を知ったことから文学に目覚めていく。フェリス女学院での譴責の後、ますます文学にのめり込んでいく良。その最中、宮城女学校での先輩で明治女学校に在学中だった斎藤冬の死に立ち会い、そこで教師であった北村透谷との関係を知り、また「文学界」の主筆だった島崎藤村の女生徒との恋愛沙汰などを聞くうちに、自身も文学に身を置くなら明治女学校で学びたいと思う気持ちが募り、ついにフェリス女学院を退学する。創作活動を始めた良は、初めて書いた恋の詩を淡ではなく、友人の菅野に送ってしまったことから淡との間には見えない隔たりが生まれていく…。そんな中、良は従妹の佐々城信子と国木田独歩の恋愛沙汰に巻き込まれるのだが…。 続きを読む

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